犬の去勢手術メリットデメリット
●● 去勢手術について ●●
オス犬の場合
オス犬の場合、性成熟が始まると、なわばりを主張する行動である尿マーキングや、けん制行動である吠える、ケンカなどが始まります。 野生であればオスとしての正常なこれらの行動が、犬と遊びに行った知人の家や、犬の集まるドッグカフェやドッグランなどで起こってしまった場合はどうでしょうか? 犬が散歩で他人の家の庭先にするマーキングも含めて、飼い主のマナー違反であると同時に犬の問題行動となるのです。
オス犬の去勢手術によるメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
早期の手術でマーキング行動を抑制できる タイミングによっては100%効果あり | 全身麻酔を行うというリスクがある (血液検査、 麻酔中のモニターでリスクを最小限にすることは可能です。) |
オス犬同士のケンカ行動が減る | 手術後太りやすくなる (食事管理で対応できます) |
本能による攻撃行動 (威嚇・咬む・吠えるなど) が軽減する | |
雄性ホルモンが原因で発症する、前立腺疾患(前立腺肥大症、前立腺のう胞等)や肛門周囲腺腫瘍、会陰ヘルニアなどの病気を予防できる | |
メスの発情に体調を影響されない(食欲不振・異常興奮等) |
メス犬の場合
メス犬の場合、子供を産ませることは、難産の危険性や、育児放棄の場合の人口哺乳の大変さから、一般家庭ではお勧めできません。
避妊手術をすることで卵巣機能の異常による偽妊娠や子宮蓄膿症などの病気を防ぐことができます。 また乳腺腫瘍に関しても、初潮が始まる前に避妊手術をすることで発生率を大幅に下げることができます。
メス犬の避妊手術によるメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
初潮前の早期の手術で乳腺腫瘍の発生率を大幅に下げることができる | 全身麻酔を行うというリスクがある (血液検査、 麻酔中のモニターでリスクを最小限にすることは可能です。) |
8歳以上頃から発症しやすい子宮蓄膿症、卵巣のう腫等の生殖器疾患を予防できる | 手術後太りやすくなる (食事管理で対応できます) |
若齢から発症することのある偽妊娠を予防できる | 生理の直後に避妊手術を行うと、低い確率であるが尿失禁を発症することがある(当院では尿失禁を起こさないよう、生理 後2か月間は避妊手術は行わないようにしています) |
発情期の出血に伴った二次的な感染による外陰部周囲の皮膚疾患や膀胱炎等が予防できる |